共演者の皆さんに助けられて
福原遥さん演じる花魁・誰袖との共演シーンは、「翻弄されてドキドキしないといけない」っていう場面ではあったんですけども、手を握られたりして、普通にドキドキしました。
台本を読んでいるわけなので、僕自身は色仕掛けをされていることは分かっている。それでも福原さんの演技を見ていて、いや、これはもしかしたら本当に僕のことを好きなんじゃないかな、って。(笑)
あとはとにかくまばたきが緊張で止まらなくて。演出の方から「ちょっとまばたき多いです」と。「気をつけます」って言ってみたものの、止めようと思っても、止まらない。(笑)
キセルを口にくわえる、という所作一つとってもやっぱり難しかった。廣年はキセルを吸い慣れているわけだから、見ちゃいけないだろうなと思いながら、でも見ないとキセルとの距離感が分からない。一発で口にもっていく。そのために何回もやることになるわけです。
出演者の皆さんは、まばたき一つとってもちゃんと演技をしていて。 でもそれは、ただ見ている分だと気づかない。本当に細かいあれこれを心がけて演じていらっしゃることが分かりました。「何がわかってないか」ということすら、自分にはそもそも分かってない、ということが分かったのかも。
花魁らしい色っぽい言葉を使いこなしている感じの福原さんも、「なかなか言葉遣いが難しいんですよ」っておっしゃっていて。福原さんでもそういった悩みを覚えるんだな、と驚きました。
あとは、伊藤淳史さんからはイントネーションをしっかり教えてもらいました。
2人きりでイントネーションについて相談しながら、「あっ、今のあってる」「今のは間違ってるな」って。すごく協力的に手伝ってくださって、助けていただきました。
そもそも僕には読解力がないんですよね。台本の上で文字になっているものを、文字のまま理解してしまうというか。
たとえば「怒る」と書いてあれば、僕は文字通り読んで、それこそ「虫が怒る」ように単純に演じてしまう。でも背景にはこんなことがあって、こんな感情があって、相手をこう見るから、それで怒っているんだよ、と周囲の方から教えていただくことで初めて理解できたり…。
なので、出演者の方からいろいろ学ぶことが出来た今回の大河ドラマ出演は、大変勉強になりました。