左から角野卓造さん、松金よね子さん、伊東四朗さん、あめくみちこさん、佐藤B作さん(撮影:玉置順子(t-cube))
テレビや映画で見かけない日がない豪華俳優陣は、プライベートでも大の仲よし。いつも集っている東京・西荻窪を飛び出して、大人になってからの友情について語り合いました(構成:篠藤ゆり 撮影:玉置順子(t-cube))

前編よりつづく

会長の記憶力は驚異的!

あめく 私は「西荻の会」では最年少ですが……といっても60代ですけど、大先輩方のお話を直に聞けるのが本当に嬉しい。なかでも会長の記憶力がすごくて、てんぷくトリオ時代のことも詳細に聞かせてもらいました。

角野 青春時代の話とかもね。早稲田大学で牛乳ビンの蓋を開けていたとか、そういう話は僕らの財産ですよ。

伊東 そんな昔の話したかなぁ。

あめく もう、いっぱい!

伊東 この顔だからか、就職試験に全部落ちてね。面接で「尊敬する人は榎本健一。愛読書は『サザエさん』」って言ったのに。

佐藤 それは労働意欲を感じませんもの。(笑)

伊東 その頃、早稲田の学生だった兄貴が大学生協とつながりがあって、「おまえ、時給30円で働け」と。これが、牛乳ビンの蓋を開けていた真相ですね。

角野 ところで松金さんは、伊東さんとはいつ出会ったんでしたっけ?

松金 NHKの『コメディー お江戸でござる』というバラエティ番組で初めてご一緒しました。公開収録で、緊張してセリフを忘れてしまった時に、アドリブで「ほら、私が何を言うのかわかってんだろ!」と伊東さんに言ったら、「わかりません」って(笑)。

「XXでしょう」と返してくれると思っていたから、もうパニックですよ。次の瞬間、「思い出したよ、バカヤロー」って言って、やっとの思いで続けたんです。失礼しました……。

佐藤 よね子もすごいね。バカヤローって。

伊東 ほんと、すごい人ですよ。Bさんの劇団に呼ばれたのは、それより前。劇団員の石井愃一(けんいち)さんから声をかけられて、「誰が脚本を書くの?」と聞いたら「三谷幸喜君」だと。それで、知らないなぁ~って言ったんだよね。

佐藤 まだ無名の時でしたから。

伊東 それで三谷君が書いた芝居を観に行ったら、あまりにも面白かったから、よし、出ようと思った次第です。