自閉的傾向のある人が親になった場合
また、自閉的傾向のある人が親になった場合などは、本人としては普通に子育てをしているつもりでも、子どもに対して、質的にかなり悪影響を及ぼしてしまうことが少なくありません。子どもに向ける関心が表面的なものにとどまっていたり、過度なしつけや学歴偏重志向など、偏狭な価値観を押し付けていることに無自覚だったりします。
さらにその自閉的特性ゆえに、一貫性のない矛盾だらけの関わりをしてしまったり、泣き声や騒がしさを極度に嫌い、これを感情的に叱責したり、思い通りでないとささいなことでもキレやすかったりなど、家の中の雰囲気はピリピリしたものになりがちです。
このような問題が家庭という密室内で繰り広げられるので、さしずめ暴君が君臨する小さな独裁国家のごとき状況下で子どもは怯え困惑し、精神的に萎縮させられてしまうのです。
※本稿は、『「自分が嫌い」という病』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
『「自分が嫌い」という病』(著:泉谷閑示/幻冬舎)
「自分嫌い」こそ不幸の最大の原因――。
本書では、自分を傷つけた親への怒りを認め、心のもやもやを解消するための具体的な方法を解説。
自信を持って生きられるヒントが詰まった一冊。