親を否定できないので自分を否定する子ども
果たしてちゃんとお手伝いをしなかったのが悪いのか、勉強ができないのが悪いのか、習い事をやめたいなんて言ったのが悪いのか、自分は良い子じゃないのか等々、子どもなりに何か思い当たることを考えつくと、そこを懸命に改善しようと努力し始めます。
しかし、どんなに頑張って改善をしても手応えがなかったり、いくら考えてみても思い当たる原因が見当たらない場合には、その子は「よく分からないけど、自分はダメな子なんだろう」と考えたり、ひどい場合には「自分の存在自体が迷惑なのではないか」「生まれてこない方が良かったのではないか」といった存在否定のところまで、自己否定を進めてしまうこともあるのです。
いずれにせよ、親と自分の不調和な関係について、子どもにはまだ親を疑うという発想が芽生えていないがゆえに、「何が悪いのかよく分からないけれど、きっと自分が悪いのだろう」と考えるしかありません。
親を否定できないので、自分を否定してしまったのです。これを表したのが下図です。

<『「自分が嫌い」という病』より>