44歳と60歳が大きな節目
室井 こうなったら気をつけるべき、という老いのサインはありますか?
伊藤 研究によると、老いには44歳と60歳の2つの大きな節目があるとされています。まず44歳になると、多くの人が脂っこいものが食べられなくなる、アルコールに弱くなるといった変化が表れる。これは脂質代謝やアルコール代謝が衰えてきたサインですね。
ほかにも、夜中に目が覚めるのは脳に、立ち上がる時に「よいしょ」と言ってしまうのは筋力に負債が溜まりつつある兆候です。
室井 身に覚えがある。(笑)
伊藤 それから腸の働きも鈍くなってきます。逆に腸が元気な方、快食快便の方は長生きなんですよ。
室井 やった! お恥ずかしい話、毎朝快調で、まるで蛇をお腹に飼ってるみたいな長さのものが出ます(笑)。60歳では、また違うサインが表れるんですか?
伊藤 はっきり自覚できる負債が増えていきますね。小さい文字が見えにくい、人の声が聞こえにくいといった視力・聴力の低下。頻尿、つまずき、腰痛などを起こす筋力の減少、顔がたるむ皮膚の変化、頑固になる、人の意見を聞かなくなるといった脳活動の低下など、負債がかさんでいきます。