困難であればあるほど挑戦したくなる
映画との出合いは、物心ついた頃です。母子家庭で育ち、母が忙しい時に、保育園代わりに映画館に預けられることが多かったんです。ユニークな母でしたが、たぶんその映画館主と仲が良かったんでしょうね。
一日中映画館にいさせてくれて、お昼にパンをもらったりしていました(笑)。そんな人情深い映画館があるのは、地方ならではのよさかもしれませんね。
だから映画館にいることに慣れていたというか、映画との距離が近かったんです。じゃあ楽しかったかというと、案外、そうでもなくて(笑)。外国映画は言葉もわからないし、字幕もまだ読めない。夏休みの「まんがまつり」みたいな子ども向けの企画の時は、楽しかったのですが……。
ところが、中学生の頃から俄然映画に興味を持つようになりました。ただ、残念なことに地方都市では、東京で単館上映しているような個性的な作品にはなかなか出合えません。ハリウッドのメジャー映画を観ながら、レンタルビデオ店でちょっと珍しい映画を探す……そんな日々を送っていました。
その中でも、デイヴィッド・リンチ監督が手掛けて話題になっていたテレビドラマの『ツイン・ピークス』は衝撃的で、今でも大きな影響を受けていると言えますね。
その頃には、将来は何かしら映画にかかわりたいと思うようになりました。