誰も墓参にこないのが確実の人間にとっては……

そんな良環境の墓地、価格表を見ると、土地代と墓石代、さらに工事費消費税諸々込みで80万から200万程度で頒布されていた。なんでもこれは墓石を50パーセントオフすることによって可能になったバーゲン価格だそうで、私なんぞは、なるほどお墓も値引き対象になるのだなと妙な感心をしたわけなのだが、それはさておき。

当然ながら、総額は墓所の広さや墓石のランクで変化するが、新規で建てるつもりなら、平均して150万程度は見ておいたほうがいいようだ。

『死に方がわからない』(著:門賀美央子/双葉社)

毎年何度も墓参に来る「誰か」がいて、なおかつ死後の安寧を墓で保証したい、という目的がぼんやりとでもあるならば、投資としては悪くないのかもしれない。だが、私のように誰もこないのが確実の人間にとっては、完全なる無駄金である。

すでにある累代の墓に入るならば、費用はそこへの交通費と納骨法要のお布施ぐらいだ。