安達盛長も赤松則祐も

あとは『鎌倉殿の13人』にも出てきた足立遠元と、賴朝の側近の安達盛長。

『尊卑分脈』は二人を血縁者として記していますが、コレも怪しい。足立遠元の方は信用できますが、盛長はたぶんウソ。

「あだち」という音が重なるので、あまり筋目のよろしくない盛長の名を、遠元の近くに配置したのでしょう。とはいっても、このときに盛長の運動があったかどうかは分かりませんが。

さらに、室町時代に有力な守護大名家として、播磨を中心に勢力を拡大した赤松家。この家はたぶん積極的に八百長をやっています。

『尊卑分脈』を見ると、同家は村上源氏となっている。南朝に仕えた北畠家や中院家に近いところに記載されています。

ところが歴史を調べると、赤松則祐は中院定平とともに、護良親王を支えて鎌倉幕府を倒す戦いをやり遂げた。また赤松家は、戦国時代まで伊勢国に勢力を維持した北畠家と縁戚関係を結ぶほどに仲が良好なのです。

となると、中院か北畠かは明らかにできていませんが、このあたりに頼みこんで、村上源氏の一流として、系図に家名を明記してもらったに違いありません。

系図にあとから名前を追加する。そんなセコいことをやろうとした超有名人が、他にもいます。それがなんと、東照大権現、徳川家康公であります。

・・・と、ここでまた紙数が尽きてしまいました。すみません、伏線回収は次回に続きます。

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