●田舎姉妹、蔵開く、桜開く。今しかない
<いなかしまいくらひらくさくらひらくいましかない>
(埼玉県・ミナト・33歳)
<いなかしまいくらひらくさくらひらくいましかない>
(埼玉県・ミナト・33歳)
《評》
情景が浮かぶ、いい作品ですね。季節は春。「田舎姉妹」という言葉が存在しているわけでもないのに、すんなり受け入れてしまいました。
回文を作っていると、どうしても無理のある表現や言葉にせざるをえないことがあるんですが、「田舎姉妹」はまったくおかしくない。代々の酒蔵を継いだ姉妹なのかもしれない。いや、ただの生家の蔵を開けようとしているだけなのかもしれない。
満開の桜のなか、なぜ今開くことにしたのでしょう。でも「今しかない」というところに強い決意を感じますし、物語性があります。