【優秀作】

●作るならカラカラ鳴る靴
 <つくるならからからなるくつ>
(滋賀県・滋賀のりん・49歳)

 

《評》

これはかなり僕好みの作品でした。「カラカラ鳴る靴」というのがいい。「ガラガラ」でもいいのに、「カラカラ」という音の表現を選んだところに、作者の感性が表れている気がします。

よさそうな靴なんだろうな。木靴かもしれません。なにかきれいな音が鳴る仕組みがあるんでしょう。

「靴」と「作(る)」は、回文の世界ではわりと多く見られる組み合わせ。たとえば僕は以前、「作つくるか、紐ひもも光ひかる靴くつ」というのを作ったことがありますが、「作る〈なら〉」としたところにも作者の個性が出ていますね。

読む人の想像が広がる作品です。