●ここで棚から和訳本『ぼくやわらかナタデココ』
<ここでたなからわやくぼんぼくやわらかなたでここ>
(東京都・ふっくらすずめ・30歳)

 

《評》

僕好みの不条理な世界観。思わず選んでしまいました。

「ぼくやわらかナタデココ」だけ見ると、回文にしようと、かなり強引に持っていったな、という印象を受けるかもしれません。でも本のタイトルだと言われたら、不自然ではない。それが和訳本のタイトルなら、なおさらおかしくない。

原書はどんな言語で書かれた作品なのでしょう。翻訳されるくらいなのだから、売れた本なのかもしれません。

強引なようでいて、文章として破綻していないから心に強く残るし、こちらの想像力にゆだねてくれる面白さがあります。

 

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