<前回のあらすじ>
不動産会社で営業を担当する木村瑞帆は、日々の業務に追われながらも、顧客の郷田肇から大口の契約を相談されるなど、充実した毎日を送っていた。上司の徳島昇一(石井正則さん)から期待を受けるも、最近誰かの視線を頻繁に感じるようになり、その見えない存在に怯えていた。
実は元恋人から暴力を振るわれ、逃げるために東京へ来たのだった。不安もある中、同僚の樋口麻土香(小西桜子さん)とその幼なじみ、津坂慎也と3人で食事をするなど穏やかな日常を過ごしていた。
ある日仕事を終え、自宅マンションへと歩いていると、突然「瑞帆」と呼び止められる。振り返ると、かつての交際相手、倉島隆が立っていた。
「やっと見つけた」という隆を見て、恐怖のあまり走って逃げだす瑞帆。人気のない駐車場に逃げ込むが、見つかってしまう。
隆はナイフを取り出し、復縁しないなら自分を殺せと迫る。瑞帆は恐怖のあまり衝動的に隆を刺し殺してしまう。
我に返り現場から逃げ出す瑞帆。翌日になっても一向に事件が明るみになることはなく、まるで事件は《なかった》かのようだった。
「騒ぎにならないなんて、絶対におかしい」不安に駆られる瑞帆だった。そんな中、友人の慎也との関係に変化が――。