<前回のあらすじ>
「今どき部活なんてタイパ悪すぎでしょ」――梅園高校2年生のめぐるは、競技かるた部の幽霊部員。目の前の青春よりも、将来への投資!
何事もタイパ重視のめぐるは、学校が終わればバイト、からの学習塾、隙間時間にスマホアプリで積み立て投資。
部活に入っていれば内申点に有利という理由だけでかるた部に在籍しているものの、一度も部活に出たことがなく、競技かるたのルールもチンプンカンプン。
そんなめぐるの高校生活が、新たに競技かるた部の顧問になった古典オタクの非常勤講師・大江奏との出会いで変わり始め……。
3年生の引退試合に人数合わせで駆り出されためぐるは、1回戦で負けて人目もはばからず号泣する先輩たちを見て呆気にとられてしまう。めぐるには、涙が出るほど何かに身を尽くした経験もなければ、何かをやり遂げて泣くことなんて絶対にあり得ない。
つくづく《青春が肌に合わない》と感じためぐるは退部を決意するが……。
3年生が引退したことで、かるた部は2年生の与野草太と幽霊部員のめぐるだけになり、もはや廃部寸前。
めぐるを引き留めようとする奏は、かつて自分が競技かるたで全国制覇を成し遂げたように、今しかできない体験をすることも必要だと力説。そんな奏の考え方を「平成の古文」だと言うめぐる。
「青春時代をかるたにささげて、先生は今、理想の自分になれたのでしょうか?」。
めぐるに見透かされて返す言葉のない奏。
居酒屋で高校時代の同級生・駒野勉(森永悠希さん)を相手にくだを巻く奏は、「千早ちゃんだったらどうするかな……」。
共に青春時代を駆け抜け、今も夢をかなえ続けている綾瀬千早(広瀬すず)に、奏はかるた部の顧問になったことを言い出せないままで……。
そんな中、かるた部は部員集めのために文化祭で競技かるたの実演会を開催。奏に頼まれて参加せざるを得なくなっためぐるは、そこで思いがけない人物と再会する――。