年齢とともに「変わっていく」体を「変えていく」
私のように特殊な体の使い方をすることのない人でも、年齢を重ねるにつれてゆがみが生じる人は多いようです。それはおそらく、日常生活の何気ない動作のくせが生じさせるゆがみではないでしょうか。それに筋肉は、何もしなければ硬くなってしまうものです。
どんな人でも年齢を重ねれば「体は変わっていく」。でもその一方で、私たちは「体を変える」こともできるのです。
「体を変えるためには、運動が必要です」と言うと、「やっぱり無理!」と思う人は少なくないでしょう。なぜ無理だと思うのか。それは「面倒くさい」という気持ちが、そのように思わせているのかもしれません。その面倒を先延ばしにするために、「いつかやろう」と思うのかもしれません。でも「いつか」は行動しなければ現実にはやってこない、ということは誰しもが心の片隅でわかっていること。
では面倒ではなく、簡単で、今すぐにできる方法があるとしたらどうでしょう。「ちょっとやってみようかしら」という気になるのではないでしょうか。その方法は二十数年前、私が硬さから脱却するきっかけとなった「ながら開脚」です。脚を広げた状態でテレビを見たり、本を読んだり、YouTubeを見たりするだけ。簡単にいえば、床に座って脚を開くだけです。
でも180度の開脚を目指す必要はないし、どれくらい広げられるかは問題ではありません。必要なのはチャレンジする気持ちと、15秒でもいいので毎日実行して習慣にすること、この2つです。スポーツウエアに着替える必要はないし、マットを広げる必要もありません。床に座って、できる範囲で脚を広げてみる、ただそれだけです。