寒さに強い品種が生まれるまで

イネを北の地方へ持っていくと、気候の変化に対応して、花をさかせる性質を自ら変化させます。そのため、今までよりも少しだけ早く花がさくイネが生まれます。

そうしたイネだけが、寒くなる前に自分のタネを作ることができ、新しい場所で生き残っていくのです。

遺伝子の変化は、イネが育つ場所の気候に合うように、少しずつ進んでいきます。それがくりかえされ、南方の作物だったイネは、だんだんと北の寒い地方へと広がってきたのです。

「コシヒカリ」「ひとめぼれ」など寒さに強いコメは、こうしたイネ自身の変化に、人間が品種改良を加えて、産み出されました。