知らない番号からの着信に怯える日々
加害当事者のなかには、執行猶予付き判決になって実刑をまぬがれた――そう胸をなで下ろす人もいるかもしれませんが、加害者家族にとってこの「再出発」の過程は決して平坦な道のりではありません。もっとも顕著な問題が、加害当事者と家族との間にある「温度差」です。
加害当事者は、時間の経過とともに事件の記憶が薄れていき、数年もすると「過去の出来事」と捉えるようになっていきます。一方で家族は、さまざまな日常の出来事がきっかけとなって、事件の記憶が鮮明によみがえってきます。
たとえば次のような状況で、家族は強い不安や緊張を感じることになります。
・知らない番号からの着信
・インターフォンの呼び出し音
・加害当事者の帰宅が遅いとき
・LINEを送っても既読にならないとき
・同様の性犯罪事件がニュースで流れたとき