倫理的な問題や心理的な影響の課題
まず、そもそもの前提として、アーモンドの認知症予防の効果が確かかどうか評価するには、アーモンドを食べた人と食べなかった人で比較をして、前者で後者より認知症になる人が少ないかを見る研究をする必要があります。
しかし、研究のためとは言え、日々、人にアーモンドを強制的に食べさせるということが許容されるのかという倫理的な問題や、そもそもアーモンドを食べていることを本人がわかっているので、認知症に効くかもしれないと言われる食品を食べていることから得られる心理的な影響という課題もあります。
また、認知症のない人が認知症を発症するまでには通常長い時間がかかることから、こうした研究は何年も続けなければ結果が確認できないという時間的な障壁も考えられます。
このように、実際問題、食品の認知症への予防効果を評価するにはいくつもの障壁があり、なかなか難しいものなのです。