好きなアイドルや俳優、キャラクターなどを応援する「推し活」。青春時代の初恋のように推しに夢中になって、追いかけているうちに、心も体も若返った――そんな3人の女性の日常をのぞいてみたら
生観戦がしたいから
カナコさん(70歳)の楽しみは、年に一度、三重県の鈴鹿サーキットでF1日本グランプリ決勝を生観戦すること。前年の秋からチケットの手配に奔走し、4月の開催に向けて体調を整えるのが10年来の習慣だ。
「スタートの瞬間の緊張感と、スタートの合図とともに一斉に上がるマシンの爆音がたまらないんです。その一瞬のためだけに、東京から名古屋まで新幹線で行き、名古屋から1時間満員電車に揺られ、駅から30分の上り坂を歩きます」(カナコさん。以下同)
サーキットに着いてからも苦行は続く。急勾配のグランドスタンドを昇って席に着くまでもう一山。観戦も楽ではない。
「息切れと膝のガクガク。もう来年は無理かなあと弱気になることもありました」