職場の上司や同僚には「挨拶」をするだけで違う

一度介護認定を受けても、病気の進行や新たなケガなどトラブルがあるたびに、介護保険の再申請やサービスの見直しが必要となります。

場合によっては、「パニック期」から「生活期」までのループを何度も繰り返して、「また休むの?」と、職場の協力が得られにくい状況になりがち。そうならないように、職場の人に情報を共有しておくといいでしょう。まず前ページの「介護の4つの時期」の図を見せ、状況が変わるつど、職場に報告・連絡・相談を欠かさないようにします。

特に深刻な事態になりそうな場合、上司と人事によく相談しておきましょう。どんな状況にどのぐらい時間がかかりそうか、おおよその見通しなどを伝えると、職場側としても対応しやすくなります。

また、上司や人事だけでなく同僚の理解があると、心理的なサポートも受けやすく、仕事を続けるのが楽になります。そのためには、自分が今どう大変なのかを、なるべく具体的に説明するのがベター。

たとえば「私の出勤後から母のデイサービスのお迎えまで2時間のケアをどうするか、今ケアマネさんと相談中なのですが、いい方法が見つからずに困っています」と言えば、周囲も状況がイメージしやすいでしょう。

そして、こんな時だからこそ普段のコミュニケーションを大切にしたいですね。私も介護が忙しい時、朝ギリギリに職場に着き、必死に仕事をして定時に帰っていましたが、そうすると気軽に話せる人が減ってくる。それでせめてもと、ランチは同僚と行くようにしていました。

挨拶に気持ちを込めるだけでも、周囲の反応は違ってきます。笑顔で「おはよう」「お疲れさま」、余裕があれば「いつも助けてくれてありがとう」と感謝の気持ちをひと言添えて。

付き添いや手続きで仕事を休む時には、まずは有給休暇ではなく介護休暇を申請しましょう。介護が本格化してくると、年5日の「介護休暇」だけでは対応しきれなくなりますし、自分が介護から一時期離れてリフレッシュするための時間も必要になる。その時のために、有給休暇は残しておいたほうが良いと思います。