非協力的な親族にはポジティブな情報を伝えて
介護者は孤独になりがちです。特に「頼りにしている人にわかってもらえない」「助けてもらえると思っていた人に助けてもらえない」という時のダメージは非常に大きいもの。
きょうだいや親族で介護に協力したがらない人の心理状態としては、以下の3つが考えられます。
(1)情報や体験が足りず、単にあなたの大変さに気づいていない。
(2)介護の実態を知るのが不安で、関わることを拒否している。
(3)状況を多少は理解しているけれど、楽観的に構えて見て見ぬふりをしている。
こうした人たちに、どう対応したらいいのか。まず、要介護者に接している人ほど情報量が多いのは当然で、そうでない人との落差はどうしても出てきてしまいます。それを埋めるために、なるべく相手に具体的な情報を伝える工夫をしてみましょう。前述した、困りごとの箇条書きメモ、写真、動画なども活用できます。
また、介護に協力してくれるよう説得するのは逆効果になることも。それよりは、まずポジティブな情報を先に届ける。そして相手が得意なことや、すぐにできることをお願いするのがポイントです。
たとえば「認知症で変わっていく親を見たくない」とお見舞いすら拒否する兄には、「お兄ちゃんの名前を出したら、お父さんがにっこりしていた」と、先にポジティブな情報を伝えます。
病人を直接ケアすることは苦手でも、特売品を探したり、ポイントを集めるのが好きという姉妹に、食品や日用品の買い出しをお願いするという方法もあるでしょう。私の場合は、料理上手な姉に、食事づくりをお願いしました。
そうやって少しずつ相手を介護に巻き込んでいく。その過程で相手が思い通りに動いてくれなくても、責めるのはなるべく避けましょう。攻撃には攻撃が返ってくるので、ますますあなたが疲弊してしまいます。
とはいえ親族の協力を得るのはもっとも難易度の高いことです。まずはケアマネや施設、介護保険サービスを活用しながらあなたの負担を減らすようにしてください。