実は完全な“キャラ変”をしています

その後、しばらく空いてお父さんが認知症だったとか、宴会に足を運ぶもうまく周囲に溶け込めない、といったディティールが新たに出てきて…。

最初は「強い青年」を意識していたのに、後半になるに従って真逆の「弱い青年」が出てきたので、捉え方を根幹から変えていかざるをえず。

同時に、家には男が自分しかいないから、父親から佐野家を背負わされているけど、そういうのが向いている性格ではない、といったニュアンスを意識的に押し出すようにしました。

その性格が表に出た宴会のシーンも、セリフが多かったわけではなかったので、目や表情を通じて、こういう場は苦手、という印象を表現しています。役柄もプライベートも“陽キャ”の桐谷健太さんを見て「ま、まぶしい!」って感じで(笑)。

父親に背中を押されようと、やっぱりできないものはできない。そのままやるせなく帰っていく、みたいな。

実際には帰り際、輪に入るように一度は声をかけてくれた蔦重へ「もう一声くれれば、考えてもやってもいいのに」って思っていたかもしれません(笑)。

なので、後半は僕の中でもイメージをひっくり返して演じた感じになりました。視聴者の方がどう感じられたかは分からないですが、僕自身は完全な“キャラ変”をしています。