政言の心情
政言の心情としては、斬りかかる直前、すがすがしさにも近い感情が生まれていたんじゃないでしょうか。これで、自分の人生、全部終われるんだな、という。
ずっと限界にも近い精神状態の中で生きてきた。それこそ、認知症の父親が庭の桜の木を斬りつけているのを見たときに「終わった方が楽なんじゃないのか」と感じていたと思う。
それで「ひどい人生だったな、でもどうせ終わらせるなら最後にでっかいことしたいな」って。世間に対しての八つ当たり、というか、やっぱり現代に通ずるキャラクターだったのかもしれない。
刀を抜いた瞬間、もちろん怒りの感情も湧いていたと思いますが、それは意知に対して、というより、自分に対しての怒りだったんじゃないか。
意知は、政言の理想像だったと思うんですよね。憧れのような対象。その人を自分の手で仕留めることで、その憧れの相手よりも一瞬だけでも上になれた、と心が浄化したのかもしれない。言語化すれば、壊れちゃった、に近いのかもしれないけれど。やるせないですよね。
切腹シーンに至っては…すがすがしさを超えて晴れやかな気分になっていたと思います。
父親がずっと恨んでいた田沼家に対して、一矢報いることができた。これからは偉くなるために、もがかなくてもいいし、認知症の親の面倒を見る必要もない。「これでやっといけるな」って。
【NHK公式サイトより】
大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物〈蔦重〉こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯。笑いと涙と謎に満ちた〈痛快〉エンターテインメントドラマ!
【キャスト】
横浜流星/安田顕/小芝風花/岡山天音/寛一郎/市原隼人/片岡愛之助/高橋克実/里見浩太朗/渡辺謙
【作】
森下佳子
【放送予定】
[総合]日曜 午後8時00分 / 再放送 翌週土曜 午後1時05分
[BS・BSP4K]日曜 午後6時00分
[BSP4K]日曜 午後0時15分/ (再放送)日曜 午後6時00分