中川くんの最後の姿

『漫画 いしぶみ 原爆が落ちてくるとき、ぼくらは空を見ていた』

 

『漫画 いしぶみ 原爆が落ちてくるとき、ぼくらは空を見ていた』

水道の水をおいしそうに飲むと、とんで家を出ていきました。

まさかそれが生きている中川くんを見た最後になるとは…。

第三話に続く

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※本稿は『漫画 いしぶみ 原爆が落ちてくるとき、ぼくらは空を見ていた』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。

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漫画 いしぶみ 原爆が落ちてくるとき、ぼくらは空を見ていた』(著:広島テレビ放送、サメマチオ/ポプラ社)

1945年8月6日、雲ひとつない夏の朝。空襲で火事が燃え広がるのを防ぐ、建物の解体作業のために集められていた広島二中一年生の上空で原爆が爆発。そこにいた320余名の生徒たち、全員が命を落とした。

彼らがどんなふうに亡くなっていったか、家族の証言をもとに克明に記録し、50年以上読み継がれてきたロングセラーを漫画化。

大けがをしながらもなんとか家に帰りついた子、途中で家族に会えた子、逃げる途中で力尽きた子……。一人一人の最期から、原爆の悲痛な実相が伝わってくる、貴重なノンフィクション。巻末に池上彰さんの解説を収録。