【ケース3】空き家の樹木が越境してきた
数年前に隣家が空き家になり、樹木が生い茂って迷惑しています。
枝が仕切りのフェンスを越えてわが家に覆いかぶさってくるだけでなく、落ち葉や落花、虫の害もひどくて。
所有者の連絡先もわからないし、勝手に伐採してトラブルになったら、と思うと何もできません
(72歳・主婦)
枝が仕切りのフェンスを越えてわが家に覆いかぶさってくるだけでなく、落ち葉や落花、虫の害もひどくて。
所有者の連絡先もわからないし、勝手に伐採してトラブルになったら、と思うと何もできません
(72歳・主婦)
<小野弁護士の回答>
令和5年4月1日の民法改正により、隣の土地から境界を越えて木の枝が伸びてきた場合、隣の土地の所有者に切除を要請してもなかなか応じない、そもそも隣の土地の所有者が誰なのかわからない、所有者の所在不明などの事情があれば、自ら枝を切り取ってもよいことになりました。
とはいえ、「勝手に切ったらトラブルになりそう」と考える人もいるでしょう。それ以前に、空き家の状況に気づいていない所有者もいるので、まずは自治体から所有者や相続人に連絡してもらってください。
それでも対応してくれない場合は、切ってしまっても構いません。
自ら切除する際には、所有者に切除を求めたことを記録に残すために、内容証明郵便を送っておくとより安心です。
自分で切れる程度ならいいですが、業者に頼むレベルになると費用がかかることに。相手の経済事情にもよるため払ってもらえるかは別として、こちらにはかかった費用を先方に請求する権利があります。
そのあたりも含め、まずは自治体に相談してみることをおすすめします。