「優雅な言葉」という《極上の絹》

そういえば以前、『徹子の部屋』に呼んでいただいた際、私が黒柳徹子さんのことを褒めたら、「おそれ入ります」と返ってきました。謙虚さを残しつつ、褒められたことを受け入れる麗しい言葉遣いに、さすが徹子さん、と感服しました。

もし道で人とぶつかりそうになったとき、優雅に微笑んで「どうぞお先に。おそれ入ります」と言えるようなら、淑女の証しです。こうした言葉遣いは、最初はちょっと気恥ずかしいかもしれません。でも、芝居の台詞だと思って口にしていると、いつの間にか身につき、いざというときに自然と口をついて出てくるようになります。

ゆっくりとしか歩けなくなっても、「優雅な言葉」という《極上の絹》をまとった貴婦人をイメージしてみてはいかがでしょうか。マイナスに思えることも、自分の想像力を働かせて、これからの人生も楽しみましょう。

 

●今月の書「どうぞお先に。おそれ入ります」

「どうぞお先に。おそれ入ります」
(書:美輪明宏)

 

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あなたの人生を導く-美輪ことば」(著: 美輪明宏/ 中央公論新社)

「微笑みは開運の鍵」

「ルンルンルン」

「自分にも感謝を与えてください」

「地獄、極楽は胸三寸にあり」

美輪明宏さんが89年の人生をかけて大切にしてきた言葉が満載!

~~~自筆の「書」とともに綴る愛のエッセイ!~~