産地間競争

澤浦さんが拠点とする昭和村は、群馬の中でもキャベツやレタスといった野菜の大産地として知られます。その農業産出額は2006年に92億7000万円でした。それが22年には倍の186億円に達したと推計されています。「昭和村が強くなったのは、産地間競争に負けたから」と澤浦さん。いったいどういうことなのでしょうか。

「昔の産地間競争で、レタスは茨城と長野に負けました。キャベツは同じ群馬の嬬恋村に負けたでしょ。常に二番手の産地なんです」

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

国内の産地に負けただけではありません。かつて栽培が盛んだったアスパラガスは、1985年のプラザ合意をきっかけに円高となったことで輸入品に押され、海外の産地に負けました。

「負けに次ぐ負けをずっとやってきたんです」