出産によるホルモンの急増

妊娠と出産は脳にとって嵐のようなものだと研究者は表現している。特に出産の数週間から数日前におけるホルモンの急増はすさまじい。

プロゲステロンの濃度は通常の月経周期のピーク時と比べて最大15倍にまで上昇し、陣痛が始まると急激に低下する。ある種のエストロゲンの増加はさらに劇的で、妊娠末期に近づくにつれエストラジオールはなんと300倍にも増加する。

『奇跡の母親脳』(著:チェルシー・コナボイ 訳:竹内薫/新潮社)

胎盤という新たな器官の発達は身体が経験したことのない全く新しいホルモンを導入する。陣痛が近づくとオキシトシンがプロラクチンの増加を伴いながら急増し、産後も高いレベルを維持する。

ピークや谷のタイミングは異なるが、ほぼすべての哺乳類が同じようなホルモンの変動パターンをたどる。