毎日、変化する舞台『ジャニス』

実は私、脚本を見たとき「なんかぐっと来ないな~」という第一印象で、「これ、できないんじゃないか」とさえ思ってしまったんです。でも最初の本読みの時に「ああ、これ、いける!」と確信しました。立稽古が始まったら、ますますよくなってきました。

物語は、90年代に活躍した女の子5人のロックバンドが解散して何年も経った頃から始まります。メンバーの一人の訃報が届いたことでまた集まって、そこで生まれる感情を描いたものです。私はちょっと謎めいたジャニスという女性を演じます。

それぞれ別々の30年を送っていたけれど、ぱっとあの頃に戻れる…そんな誰にでも経験があるようなことがベースです。それを役者たちが「ああやってみよう、こうやってみよう」と、それぞれキャラ作りしてプレゼンしてくる。難波さんが集めた人たち、みんな個性的で、面白いっちゃ面白いんだけど、何をしてくるかわからない。「そうくるか~~~」と思わされる毎日です。出し惜しみしないから、今度はどういう手口だろうってこっちも構えています(笑)。それを交通整理するほうも大変だと思うけど、舞台ってそうやって作り込まれていくんだなって。

だから毎日、変化しています。腹が立つこともたくさんあって、負けたくないなと思うけど、そこが心地いいですね。

とにかく“難波さんの夢がギュッと詰まっている舞台”と言ってもいいかな? まあ、ちょっと暑苦しい部分もあるんですけど。(笑)