Room NO.925 第1回公演『ジャニス』で主演を務める山田邦子さん
『オレたちひょうきん族』『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』など数々のバラエティー番組で活躍した山田邦子さん。テレビで見ない日はないというほど、一時代を築いた山田邦子さんは現在65歳。今年は芸能生活45年という節目の年だという。昨年、日本喜劇人協会の会長に就任。自分は演芸の人!と言い切る邦子さんだが、この夏は、22年ぶりに舞台の座長を務めるという。酷暑の中、舞台稽古の合間を縫って、今の心境を聴いた(構成:吉田明美)

今年の夏は

毎日、暑いですね。でも、この暑さ、スイカのためにはいいんですよ。スイカってアフリカ原産ですから、暑ければ暑いほどおいしいの。私、スイカが大好きなんです。スイカが好きすぎて種苗会社の萩原農場が運営する「スイカ研究室」の室長も引き受けちゃいました。この夏は、長野県の松本市で育てた「925(クニコ)スイカ」も売り出しちゃいますよ。種も食べられる品種です。ハウスではなく露地栽培なので、カラスやタヌキの襲撃にあっちゃいけないし、本当に大変。その分、めちゃくちゃおいしいです! 若い人たちがやってくれていますが、毎日成長するスイカが今日どうなっているか、もう今も気になっちゃって気になっちゃって…。稽古の途中なのにね。(笑)

今年の「925(クニコ)スイカ」は長野県松本市からお届け(写真提供:山田邦子さん、オフィシャルブログより)

今回の舞台『ジャニス』は、ちょっとしたきっかけから始まったんです。私はお笑いタレントとしてデビューした一方で、お芝居にもとても興味があった。そして25年前に、憧れの三越劇場でついに座長を務めることができました。

そのときのプロデューサーの難波利幸さんと、20年以上ぶりに、昨年ばったりお会いして「また一緒になんかやりたいね~」と話したんです。

そしたら難波さんから今年に入って「8月どう?」と言ってきてくださった。夏はスイカの時期とかぶるな~と思ったんですけどね(笑)。もうありがたいお話だと思って、すぐにお引き受けしました。

難波さんは、関西系で脂っこいんだけど(笑)、役者の心がわかる不思議な人で、彼がやりたかったことを実現したのが今回の舞台です。彼がこの20年の間に「この女優、好きだ」「この俳優、いい」と思っている人をキャスティングして、好きな脚本家に新作を書き下ろしてもらって、信頼している演出家に演出してもらうという、完全に難波さんの世界で始まりました。だから、私にとっては、ほとんどの人が「初めまして」でした。