瞑想は心身の健康づくりに役立つとされていますが、実際に挑戦してみて「うまく集中できない」と感じる人は多いのではないでしょうか。マインドフルネスに詳しい脳神経内科医の山下明子さんは、「瞑想は集中できなくても失敗ではありません」と言います。そこで今回は、山下さんの著書『食べる瞑想:幸せな毎日が続く「新しい心の整え方」』から抜粋し、瞑想のポイントをご紹介します。
瞑想の真の目的は「集中」ではない
私は講演会などでマインドフルネスについてお話しする機会が多くありますが、その中で、参加者に数分間の呼吸瞑想を必ず実践してもらいます。
そしてその後、参加者に感想を求めると、よくこんな答えが返ってきます。
「うまく瞑想できませんでした」
多くの人が、瞑想をしている途中や終わった後に「できなかった」と自分の瞑想にダメ出しをしていたのです。おそらく、ずっと意識を集中することができたら「ちゃんと瞑想できた」と判断し、途中で意識がそれたら「うまく瞑想できなかった」と判断しているのでしょう。
しかし、瞑想は集中できなくても失敗ではありません。
なぜなら、瞑想は「気づき」のトレーニングであって、「無になる」トレーニングではないからです。「うまく瞑想できなかった」と悩んでいる人の多くは、ここを勘違いしています。