集中できなくても、失敗ではない理由

私たちの脳には、背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)(DLPFC)という部位があります。これは脳の前頭前野にある領域で、集中力や注意力、問題解決力や自己コントロール力などの高度な機能を司っています。そして、この背外側前頭前野は「注意を引き戻すとき」に活性化することがわかっています。

つまり、「自分の意識がどこにあるのかに気づいて戻す」ほうが、ただぼんやりと瞑想するよりも、はるかに脳にとってはいい影響があるわけです。

『食べる瞑想:幸せな毎日が続く「新しい心の整え方」』(著:山下明子/三笠書房)

瞑想中にいつのまにか違うことをぼんやり考えてしまっても、途中で「あ、考え事していた」と我に返ったなら、それは「気づき」があったということ。

瞑想を実践するときは「考え事をしていたから失敗」なのではなく、「考え事をしている自分に気づき、我に返ったから成功」と考えるクセをつけましょう。

「自分の意識がどこにあるのか」に気づくことが重要なので、うまく集中できなくてもがっかりする必要はありません。

もしどうしても自分にダメ出ししてしまうのであれば「今、私はダメ出ししている」と気づくことができれば大丈夫。こうすることでも、背外側前頭前野は活性化します。