母・昭子さんは明るく楽しいことが大好きで、山田さんの一番の味方だった(写真提供:山田さん)

もうひとつ後悔しているのは、もっと早い時点で介護をプロの手に任せていればよかったということ。自宅で母の世話をしていたとき、弟も私も慣れないながらも母をお風呂に入れてはいたのですが、介護施設に入居したらみるみるうちに母がピカピカになっていったんです。

「お母さまと肩を組んで、一緒にお風呂に入っているんですよ」というヘルパーさんの言葉を聞いて、もうビックリ。赤の他人にそこまでしてくださるなんて、「まるで女神さまのよう!」と感動しました。もっと早く施設に入居させていたら、弟も体調を崩さずに済んだのかもしれません。

息を引き取った老人ホームに入る前、半年ほど入居していたアットホームな高齢者施設にも、とてもよくしていただきました。もはや何もわかっていない母のために誕生日会を開いて、記念写真を撮ってくださったり。

面会や一時帰宅も自由だったので、母を車椅子に乗せてお花見もできましたし、母が好きだったレストランに連れて行くこともできました。

こんなに穏やかな日々を過ごすことができるなんて、実家で介護していたときとは雲泥の差。当初、私も弟も介護に関して無知だったとはいえ、近所にどんな高齢者施設があるのか、どんな公的サービスが受けられるのか、もっと早く調べておけばよかったですね。