「私も自分がどこに出かけるとか、いちいち息子に報告はしません。ただ、月に1、2回ライブに行くときだけは、念のため行き先を伝えておくけれど」
東海林さんはヴィジュアル系バンドの熱心なファンで知られ、親交のあるミュージシャンも多い。前述のLINE友だちもそうだ。ライブに行くときは若いボーイフレンドがエスコートしてくれるので、子どもたちも安心しているという。
また、推し活を通じて知り合った女友だちとはLINEグループで交流したり、食事会を楽しむことも。
「だから寂しいということは一切ないの。朝起きたらすぐお化粧して、夫の仏壇にお水をあげる。それから、今日やることをメモ。新聞の音読は欠かしません。ついでに早口言葉の練習もします。私は話すのが仕事だから、滑舌が良くないとね」
家にいるときはスマートスピーカー「アレクサ」に話しかけて音楽を流したり、タブレットで韓国ドラマを観賞したり。スマートウォッチを使って歩数や睡眠を管理するなど、最新の電子機器も使いこなす。若い仲間とユーチューブ番組を作ったりと、仕事もまだまだ現役だ。
「最近は、男性同士の愛を描くBL小説も読むんですよ。凪良ゆうさんの小説が大好きで、夫の仏壇の横に何冊も置いてあるの(笑)。ずっと夢中で仕事や家族の世話をしてきたけど、こうして自由な時間が持てるようになり、今まで知らなかった世界にも出合えた。一人暮らしはメッチャ楽しいです」
「母親」や「祖母」という役割を返上し、自分自身のための人生を謳歌する東海林さんは、若々しく輝いて見えた。