90歳を超えても元気な人は、どのように体をいたわっているのか。1日のスケジュールから、長年続けていることまで、二人の人生の先輩に話を聞いてみると―(撮影:本社・武田裕介)
自分が働くしかない!
福島市の郊外、果樹園に囲まれて立つ一軒家。玄関のドアを開けるとそこには、春色のブーケがいくつも並んでいた。
「この間の誕生日に、皆さんが贈ってくれたのよ。この可愛いのは、神奈川に住む孫から」と笑顔で語る堀野智子さん、御年102歳。
ポーラの販売員(ビューティーディレクター)として働き続け、2023年に「最高齢の女性ビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定された。今年の誕生日を迎え、2度目の記録更新が達成されたばかりだ。
「私としては、今日一日を大切に生きてきただけなんですよ。でも100歳を迎える頃から、なんだか珍しがって話を聞きに来てくれる人が増えましたね」(堀野さん。以下同)
子どもたち3人が巣立ち、15年ほど前に夫を亡くしてからは福島市内の一軒家で一人暮らし。「夫はうんと手のかかる人だったから、いなくなって寂しいという感じでもなかったかしらね。それに仕事やら家事やら、やることはたくさんありますし」と笑ってみせる。