恋愛価値の下落
22年、マーケティング会社がZ世代(15〜24歳)に実施した調査では、恋愛を「まったく+あまり+必ずしも必要ではない」と答えた若者が、5割(53.3%)を超えていました(SHIBUYA109 lab.「Z世代の恋愛・結婚観に関する意識調査」)。
また24年、人材サービス企業がZ世代(18〜28歳/マッチングアプリ利用経験者)に行なった調査でも、「(いい人がいれば)結婚したい」との回答は約8割(男性76.7%、女性79.9%)を占めますが、一方で「恋愛が面倒」が、男女共に6割以上(男性62.6%、女性67.5%)にものぼったのです(ネクストレベル「Z世代の恋愛・結婚観」)。
「恋愛が面倒」派が増えると、「彼氏(彼女)が人生のすべて」などと過度に思い入れる若者は「メンヘラ(メンタルヘルスを病んだ人)」とも見られかねず、真正面から恋に溺れているとは公言しにくくなった。それが恋愛価値の下落に繋がった側面もあるでしょう。
半面、私のような「恋愛至上主義」の時代に青春を過ごしたバブル世代から見ると、「不確実なことにお金や時間をかけるからこそ、恋愛は面白いのでは?」とも感じます。ですがZ世代の多くはその余裕がない。金銭面だけではなく、「ストレス回避」にも敏感ですから、メンタルをすり減らしてまで、わざわざ恋愛するのは「面倒」なのです。