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突然、景色がぐるぐると回るようなめまいに襲われる……。明らかな症状があっても、病院で「異常なし」と診断され、我慢している人は少なくありません。しかし、原因となる病気はある程度自分でも見きわめられるといいます(構成=島田ゆかり イラスト=seesaw.)

多くのめまいは骨密度の低さが影響

長寿社会になり、めまいやふらつきを訴える人が増えています。患者さんを男女比で見ると、女性がおよそ7割と多め。閉経などにより女性ホルモンの分泌量が減ると骨密度も減少しますが、それがめまいにも深く関わっているのです。

めまいとは、からだのバランスをとる働きに障害が出ることで起こります。天井がぐるぐると回って見える、頭がくらくらする、足元がふわふわするなど症状はさまざま。実はそのうち約7割は耳の不調です。

人がバランスを保つための機能を司る耳。とくに内耳にある三半規管と耳石器の働きは重要です。リンパ液で満たされた三半規管は、液が動くことでからだの回転を感じとる。そして耳石器は、中にある結晶(耳石)が動いて傾きや移動の情報を脳に送るのですが、この耳石が骨と類似の炭酸カルシウムでできているため、全身の骨がもろくなると同時にバランス機能にも異常が生じるのです。

めまいを感じた多くの人は「脳の病気かも」と不安になりがちですが、まずは耳の病気を疑いましょう。

『内耳の拡大図』