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クリスティン:スタンフォード大のローラ・カーステンセン教授や、資産管理学を教えているマイケル・フィンケ教授にもインタビューをしたのですが、おふたりはリタイア後も自分に合ったスタイルで仕事を続けるのが望ましいと考えておられました。

仕事をすれば日々の張り合いができます。活動的でいられるし、社会とのつながりも維持できる。あなたも仕事を続けるほうがいいとお考えですか?

フリッツ:たしかに働くことで生活を充実させられる人もいます。しかし経済的に余裕があるのなら、継続的な収入があったほうが安心だからというだけで仕事を続けるのはどうかと思いますね。求めているのは金銭ではないでしょう?

僕がお薦めする方法は、退職して1年間は仕事の誘いがあっても断ることです。現役時代より軽い業務だから続けようとか、顧問の仕事を引き受けようと思っている方がいれば、イエスという前に1年間は様子を見たほうがいいでしょう。働いているあいだは忙しくてできなかった活動、つまり経済的な見返りに重きを置かない活動を試してみるチャンスだからです。

ボランティアに参加してこの上ない充実感を得るかもしれません。《仕事に戻らなくてよかった。今ならやりたいと思ったらいつでも挑戦できるし、そこから生きがいも見返りも得られる》と思えるかもしれません。

最終的に仕事に戻るのはいいですが、それをデフォルトにしないことです。できるだけ多くの小道をたどってみてください。仕事を続ける以外の選択肢にも目を向けるのです。

視野を広く持ち、いろいろなことに挑戦し、経験値を増やしてください。もうお金にこだわらなくてもいいのだから、いつもとちがう時間の過ごし方を楽しんでください。