やりがいと友情を手に入れる
クリスティン:あなた自身が退職後、新たなやりがいを見つけ、豊かな人間関係を築き、精力的に活動しておられますね。
フリッツ:もともと計画的なタイプなので、現役のあいだは3年計画、5年計画を作成し、昇進のチャンスも逃さないようにしていました。一方リタイア後の人生については、僕も妻も《偶然を大事にしたい、心の赴くままにやってみたい》と思っていました。
人生は自転車のスポークのようなもので、さまざまな方向性を持っています。だからそれぞれのスポークの長さをじっくり見極め、そこからリタイアの時期を決め、住む場所を選定したんです。
仕事をやめたらいきなり短くなるスポークだってあるかもしれません。たとえばあなたが仕事人間で、つきあいのある人が残らず仕事関係者だったら、退職とともに人間関係が希薄になるでしょう。
しかし1つのスポークが極端に短くなると自転車は走れません。そうであるなら退職後に短くなる可能性のあるスポークをあらかじめのばしておいたほうがいい。家族関係はどうですか?熟年離婚に至る人も少なくありませんから注意が必要です。
そういうふうに人生を捉えて、どのスポークを育てていくべきか考えていくと、自分に足りないものや、これから投資しなければいけない分野が見えてくるのではないでしょうか。