クリスティン:それで、奥様はどうやって立ち直られたのですか? どういうきっかけでボランティアを始めるようになったのでしょう?
フリッツ:視野を広く持ち、機会を逃さなかったから立ち直ることができたのでしょう。
ある日、『ダーティー・ジョブズ(訳注:ふつうの人がやりたがらない仕事を司会が体験するアメリカのテレビ番組)』の司会を務めるマイク・ロウのフェイスブックをたまたま見ていたところ、そこに『リターニング・ザ・フェイバー(訳注:地域貢献している人々を取材し、サプライズで願いをかなえる)』という番組の動画が載っていたそうです。
妻が見た回はオレゴン州のボランティア活動『フリーダム・フォー・ファイドー』を紹介していたんです。これは低所得世帯で、庭に鎖でつながれたまま飼われている犬たちのために無償でフェンスをつくるという活動なんですが、動画を見た妻は、これこそ自分たちの地域に必要だと思ったそうです。
僕らの住んでいるアパラチア(訳注:ニューヨーク州からミシシッピ州までのびるアメリカ合衆国東部の地域)には鎖につながれたまま飼われている犬がたくさんいますから。僕もいいアイデアだと思いました。
ただ、僕ら夫婦にはボランティアの知識がなかった。非営利団体をどう起ちあげればよいか、見当もつきませんでした(訳注:子どもや動物に対する虐待防止を目的に組織され、運営される非営利団体は連邦所得税が免除される)。フェンスをつくったこともなければ、どうやって人を集めればよいかもわからず、まさにゼロからのスタートだったわけです。
それでも僕は妻に《とにかくやってみよう。一緒に勉強すればいいじゃないか》といいました。そこで妻は非営利団体の設立に詳しい会計事務所に相談しました。そうやって僕らは第一歩を踏みだしたのです。
次なる課題はフェンスのつくり方を知っている人をさがすことでした。犬舎を運営している知り合いがいて、手を貸してもらえないか相談したところ、その人の協力を得て最初のフェンスを完成させることができました。そうやって1つずつ課題を解決していきました。