リタイアの日を決める

クリスティン・ベンツ:まずはリタイアの日をどう決めるのかについて、これという方法があれば教えていただけますか?

フリッツ・ギルバート:諸先輩方にそういう質問をすると《その時がくればわかるさ》といわれることが多かったんです。僕はそのたびに、なんだかけむに巻かれたような気分になりました。

ところが驚いたことに実際にわかるときが来たんですよ。いわゆる燃え尽き症候群のようなものかもしれませんし、リタイアに向けて準備してきて、いよいよ準備が整ったと確信するのかもしれません。

もしくは単純に数字の問題かもしれない。仕事をやめてもやっていけるだけの資産があるかどうかは重要な要素ですから。老後資産ができていないなら、仕事をやめるという選択肢はありません。これならやっていけると確信が持てるところまでは働かないといけない。そうやってみんな走りつづけるのです。

蓄財状況からいつごろ退職できるか、おおよそ見当がつくでしょう。計画的な人なら1年くらい前には退職可能時期がわかるはずです。

できれば最後の1年は、金銭面だけでなく精神面の準備をする期間にしてほしいです。資産形成の目途がついたタイミングで、今度はそれ以外のことを考えるのです。双方の準備状況を比較すればリタイアの時期はかなり明確になるでしょう。