リタイア生活の準備において女性が気をつけること
クリスティン:生涯年収の低さ、子育てや親の介護、そして長寿といった障害によって、女性は男性よりも老後資金に困る可能性が高くなります。生涯を通じて経済的に困窮しないよう、女性がやっておくべきことはなんでしょう?
ジーン:退職の5年から10年前に、リタイア準備がどこまで進んだかをチェックしましょう。貯蓄はどのくらいあるか、資産形成のスピードはどうか、退職時にどのくらいの資産ができそうかを見積もるのです。
いつごろから仕事量を減らしたいですか? リタイア生活の支出も掌握しないといけません。毎年、どのくらいの出費がありそうですか? どんな生活を希望しますか? どこに住む予定ですか? そうやって自問自答することで状況を把握します。
女性の場合、リタイアの直前に生活を一変させるような変化が起きやすいため、早いうちからそうしたことを考えておく必要があります。リタイア後も1年か2年、余分に働ければ経済的に大きな差が生まれます。
社会保障年金の受給開始を繰り下げるのも効果絶大で、とりわけ高い給料をもらっているパートナーが繰り下げ受給をすると、家計に入るお金が一挙に増えます。
リタイア後の早い段階で小さな家に引っ越したり、家を担保にお金を借りたりすることもできます。自分でコントロールできることに集中し、利用できるさまざまな手段を比較検討することは、女性だけでなく男性にとっても非常に有効です。
リタイア後の生活についてこれまでパートナーと話し合ったことがなく、老後のビジョンがばらばらの場合も、まずは自分でコントロールできることに集中してリタイア生活を考えましょう。
必ずしもお金の計算から始める必要はありません。大きなビジョンを持つところから始めても問題ないのですが、それが現実的に実行可能かどうか、また実行するためにどのようなステップを踏まなければならないかを考える際は経済的な裏づけが必要になります。
将来、必要な医療費について考えることも大事で、長期介護保険などを契約するかどうかも検討しましょう。