クリスティン:長期介護費用についてもう少し訊ききたいのですが、女性は配偶者より(少なくとも2年以上)長生きするといわれています。女性にとって長期介護計画はとくに重要です。
なぜなら配偶者の介護者になることが多い反面、自分の介護をしてくれる人がいるとはかぎらないからです。ただ長期介護保険の掛け金は男性より女性のほうが高額ですよね。購入するかどうか、判断に迷ったときはどうすればいいでしょう?
ジーン:たしかに女性のほうが男性よりも掛け金が高額ですが、女性のほうが必要性が高いです。今年は長期介護保険の保険料が軒並み値上がりして、私もアメリカ退職者協会の依頼でコラムを執筆しました。
値上がりした保険料を支払うべきか、解約すべきか、保障内容を見直して保障を減らすべきか悩んでいますという手紙を大量にもらいました。
私のアドバイスは、もしパートナーも長期介護保険の契約をしていて、どちらの保険料も値上がりしたのなら、男性は保障内容を見直すのもありかもしれないというものです。でも女性は保障を減らしたり、インフレ特約をやめたりしないほうがいいです。あとになって悔やむことになりかねないので。
それから未婚女性は長期介護保険がぜったいに必要です。子どもなど介護してくれそうな人が周囲にいないなら長期介護保険はマストだと思います。既婚女性の多くも配偶者より長生きしますから、最終的にはひとりです。
それでも子や孫がいる場合は未婚女性ほどの緊急性はありません。しかし家族に介護してくれそうな人がいない場合で、高いレベルの介護を受けたいと思うなら、長期介護保険には加入したほうがいいでしょう。
長期介護保険は掛け金が高いから無理とあきらめてしまう人も多いですが、あらゆる条件を備えた高い保険でなくてもいいので、なんらかの保険に入っておくと将来の選択肢が増えます。
※本稿は、『How to Retire お金を使いきる、リタイア生活のすすめ』(クリスティン・ベンツ:著・岡本由香子:訳/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『How to Retire お金を使いきる、リタイア生活のすすめ』(クリスティン・ベンツ:著・岡本由香子:訳/KADOKAWA)
退職後は、お金を使いきって幸せになる。老後の暮らしとお金を、徹底解説。
資産管理の専門家が、18人のリタイア計画専門家と語り合う、資産運用、仕事、暮らし、住まい、健康のこと。
「リタイアの5年前から、自分の老後をイメージしよう」
お金に悩まないリタイア生活へ、目からうろこのヒントがいっぱい。