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学校に行くのがつらい子どもたちにとって、長期休暇明けは苦しい時期。特に小学生の不登校は近年増加傾向にある。不登校ジャーナリストの石井しこうさんの新刊『小学生不登校 親子の幸せを守る方法』(KADOKAWA)には、学校への行き渋りが始まった時に役に立つよう、子どもへの声かけや学校への対応など具体的な方法を盛り込んだ。子どもの心身の回復を優先することはもちろん大切だが、「学校に行かなくてもいい」の先に、将来を不安に思う親もいる。不登校の現状や将来の選択肢について、石井さんに話を聞いた。(取材・文:婦人公論.jp編集部)

いじめの低学年化

<文部科学省の調査によると、2014年度の小学生の不登校数は2万5864人だったが、2023年度には13万370人とこの10年で5倍以上に増えている>

小学生の不登校が増えている要因として、「早期教育の影響」をあげる有識者もいます。取材をしていると、昔に比べて、子どもが習い事などで忙しすぎて余裕がなくなっていることがストレスになっていると感じています。そして、増えているのがいじめです。学年別に見ると、小学校低学年でのいじめが多いんです。

<文科省の2023年度の調査によると、いじめの認知件数が最も多いのは小2で11万6234件。次いで、小3の11万1205件、小1の10万7936件になる>

低学年の場合、親に相談しても「子どものけんかだね」と済まされてしまったり、先生とも「ちょっとしたいざこざ」だと見過ごされてしまったりするケースをよく聞きます。低学年でも陰湿ないじめがあって、自分の身に覚えのない噂を流されたり、陰口をたたかれたりしている。無視もあります。「先生も親も誰も信じてくれない」と話す子はたくさんいる。