健太郎が文哉くんでよかった

<嵩の親友・健太郎を演じたのが高橋文哉さんだ。美術学校時代からの友人で、のぶの妹・メイコと結婚したことから嵩と健太郎は義兄弟になった>

健太郎は、軽いけれど温かいリズムでしゃべってくれる。心から親友と呼べる存在を文哉くんが作り出してくれました。戦争の時も健ちゃんがいなければ、嵩はもしかしたらとっくに死んでいたかもしれない。常に心を和らげてくれるし、友人として喝を入れてくれる。のぶと同様に、嵩の人生を彩ってくれた本当にかけがえのない1人です。それを演じたのが文哉くんで良かったです。

(『あんぱん』/(c)NHK)

文哉くんとはスタイリストさんが一緒です。スタイリストさんから「多分、匠海と違うタイプだと思う」と言われていました。俳優仲間からも「文哉くんは輝きすぎている。匠海はくすんでいるから合わないと思う(笑)」と伝えられていたんです。

文哉くんがクランクインした時には「まぶしいな」と思ったんですよ。でも、ある時文哉くんが「DISH//」のライブを見て、長文の感想をスタイリストさん経由で送ってくれて。「その思いに応えたい」と、徐々に会話が増えました。今では本当に良き友人です。

文哉くんはこの先、いろいろな作品を背負うことが増えてくる役者だと思っています。それぐらい魅力がある。だからこそ、文哉くんが何か迷ったときに、彼が立ち返れる存在の役者でいたい。文哉くんにとって不甲斐ない先輩ではいたくないですね。