自律性・有能感・関係性を満たす仕組み

心理学の自己決定理論によると、人間の内発的動機を高めるためには、3つの基本的心理欲求を満たす必要があります。

・自律性:自分で決める感覚、主体的に行動できる感覚
・有能感:能力を発揮し成果を実感できる感覚
・関係性:周囲とのつながりや承認を感じる感覚

『サービスを言語化する』(著:大野加奈/クロスメディア・パブリッシング)

帝国ホテルの新入社員研修で、研修運営を新入社員自身に任せていたのも、この理論に基づいています。司会進行、資料配布、会場設営などの役割を分担し、「自分たちの研修」という当事者意識を醸成することで、自律性を満たしていました。

また、毎日の振り返りで改善点を見つけ、翌日の行動に反映することで、自分たちの能力向上を実感できる機会を提供していました。そして、チームメンバーとの協働を通じて、関係性の欲求も満たされていたのです。

このような研修での取り組みは特別な例に見えるかもしれませんが、日常の業務においても、3つの基本的心理欲求を満たす工夫は十分に可能です。