目的と目標の明確化による納得感の醸成

私が入社した頃は、とにかく言われたことをスムーズに徹底してやることが求められました。そのスピード感に戸惑いながらも、求められていることをとりあえずこなす、そんな毎日。自分の仕事が何につながっているかもわからず、もやもやしたこともあったのですが、それを口に出すこともなく、ひたすら日々を過ごしていました。

やがて経験を積んで仕事のレベルが上ったときに初めて「あの仕事はここにつながっていたのか」と理解できてこう思いました。「もっと早く教えてよ」と。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

皆さんは同じような経験はないでしょうか。

日常の目標や数字、目の前のことに追われる毎日では、それがなんのためにやっていることなのか見えなくなりがちです。そうしたときに、ちょっと先を見せてあげたり、そもそもの目的を伝えたり、仕事の全体を見せてあげることができれば、仕事の捉え方も変わるものです。

特に、今の若い世代は物事の背景や目的や意義への意識が高いため、それがわからないと納得できず、動きづらい傾向があります。仕事は普段当たり前のようにやっていることかもしれませんが、その当たり前の目的を「言語化」することで、共通認識が持てるようになり、仕事への取り組み姿勢が変わるのです。

こうした仕事の意味づけは、現場での具体的な指導においても、その質を大きく左右します。