私たちが本来の「自然」に戻るには
街灯のなかった時代、人々は月明かりを頼りに歩きました。
怪我をしないように、野獣に襲われないようにと、目を見開き、耳を澄ませ、慎重に家路についたのです。
昔の人は、観る力、聴く力、感じる力が研ぎ澄まされていました。
月の満ち欠けを見て日にちを知る。
花の開花を合図に田んぼへ水を引く。
空を見て嵐の到来を察知する。
風の流れや土の香りから、次に何が起こるのかを感じとる力がありました。
しかし、現代の人間はどうでしょう。
自分の感覚よりも先に、テレビや新聞、SNSから情報を得て、カレンダーを見て季節を知ります。
そうして「感じる力」を使う機会を失い、しだいに鈍感になっていきました。
この「感じる力」が衰えると、自然の一部である人間の心や身体も「不自然」になり、苦しみや不調を感じやすくなるのでしょう。
もともと私たちに備わっていた「感じる力」をとり戻せば「不自然」は消え、私たちは本来の「自然」に戻ることができるのではないでしょうか。