人生の後片付けなどしている暇はない
同級生と話していると、「自分の死後、子どもに迷惑をかけないように、今から身辺を片付けているんだ」という人がいます。それを聞くたびに、私はこう考えるのです。
「身辺を片付けている暇なんか、ない。生きているうちに、自分のやりたいことをやったほうがいい」
まだまだ行きたい山はたくさんあるから、人生の後片付けなどしている暇はない。天命をまっとうするそのときまで、大好きな山に登り続けたいと思うのです。
※本稿は、『人生、山あり“時々”谷あり』(潮出版社)の一部を再編集したものです。
『人生、山あり“時々”谷あり』(著:田部井淳子/潮出版社)
「世界初」の称号と三度にわたる雪崩との遭遇、突然のガン告知と余命宣言、そして東日本大震災の被災地の高校生たちとの富士登山・・・・・・。
女性初のエベレスト登頂を成し遂げた登山家・田部井淳子が綴った、笑いあり、涙ありの感動エッセイ!!!