意欲こそがその子のオリジナリティの源泉

子どもの意欲を引き出したいと考えると、ついすべてのことに関心を持ってもらいたいと思ってしまうかもしれません。

でも、これについても別の視点を持つことをおすすめします。

同じ景色を見ても、人によって気になるポイントは違います。同じ本を読んでも、立ち止まる場面は人それぞれ異なります。

これは意欲というアンテナが、その人の関心や興味に応じて、特定の情報をキャッチしているからです。

何に興味を惹かれるか、何を美しいと感じるかは、その子の特性や、その子の歩んできた道のりによって変わっていきます。

『自分の頭で考える子に育つ学ぶ力の伸ばし方』(著:川島慶/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

たとえば、私は大好きな漫画や本を読むのは、とても遅いです。

それは一つひとつの場面で「どういうこと?」「なるほど、そういうことか」と引っかかってしまうからです。

この人それぞれの「引っかかり」こそが、意欲というアンテナが働いているといえるのです。

親御さんとしては、「**に興味を持ってほしい」などと思うかもしれません。子どもが親の期待するものに興味を持つとはかぎりません。むしろ、敏感に親の誘導を感じて興味を失ってしまうこともあります。

ワンダーファイは、「世界にはこんなにおもしろい、わくわくすることがあるよ」と、興味のきっかけを、教材や体験で子どもから引き出すことにスタッフ一同取り組んでいる組織ですが、子どもに狙って興味を持ってもらうのは、とてもクリエイティブな営みです。

無理に仕向けるのではなく、その子が関心のある所から広げていく視点を持つといいでしょう。