まずは相手のことを思いやってみる
私が子どもだった1970年代あたりまでは、「男は外に出て金を稼ぎ、女は家庭を守る」というサザエさんのいる磯野家のような家庭がほとんどでした。シンプルにわかりやすく、はっきりと分担化されていたわけです。
父親が重い荷物を運ぶ手伝いをしていることはありましたが、雑巾がけをしていたという記憶はありません。
いまどき、そんなことを言ったら、お叱りを受けることになってしまいそうですが……。
共働きが増えている近年の夫婦は、役割を明確にする前に「相手の身になって考えてあげる」ことが何より大事です。ともすれば自己主張ばかりが先行します。
「自分はこれだけがんばっているのにわかってくれない」と感じがちです。
しかし、そう嘆く前に、「こんなにがんばってくれているのだ」と相手のことをまず先に思いやってみてはどうでしょうか。
※本稿は『感情的な自分から卒業する本』(アスコム)の一部を再編集したものです。
『感情的な自分から卒業する本』(著:和田秀樹/アスコム)
感情とは何でしょうか?
目には見えないけど、確かにあなたの中に存在しています。自分にとって大切なものである半面、自分を振り回すやっかいな存在でもあります。
「ふざけるな!」「何度言ったらわかるの?」「自分勝手すぎる!」「なんでそんなひどいことが言えるの?」「相手がそんな態度を示さなければ、こんなに頭にくることはないのに!」
思わず相手を責めてしまいます。でも、残念ながら、どれだけ言っても相手が変わることはほとんどありませんし、変えるためには、とてつもない時間と労力がかかります。感情的に反応して損をするのはあなた自身です。